
危険物取扱者(乙種第4類)の試験対策ブログへようこそ! 第1回、第2回の模擬試験はもう完璧になりましたか? 今回お届けする「第3回 模擬試験」は、いよいよ本試験レベルの実践的な内容に踏み込みます。
試験本番では、「許可と届出の違い」や「指定数量の倍数計算」、「各類危険物の共通点・相違点」を問う横断的な問題が合否を大きく左右します。この記事で紹介する全55問をマスターして、自信を持って試験会場に向かいましょう!
※学習しやすいよう、誤っている選択肢の「間違っている部分」には赤線と ❌印 をつけています。また、正解以外の選択肢が「なぜ違うのか」も詳しく解説していますので、引っかけのパターンをしっかり身につけましょう。
危険物に関する法令(問1〜問20)
問1:指定数量の基礎
指定数量に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
- 指定数量は、危険物の危険性を基準に品名ごとに定められている。
- 指定数量以上の危険物は、原則として製造所等以外の場所で貯蔵し、または取り扱ってはならない。
- 指定数量未満の危険物の貯蔵や取り扱いは、消防法ではなく各市町村の火災予防条例で規制される。
- 第4類危険物の水溶性液体は、非水溶性液体に比べて指定数量が小さく(少なく)設定されている。 ❌
- 異なる品名の危険物を同じ場所で貯蔵する場合、それぞれの指定数量の倍数を合算して計算する。
【解答と解説】正解:4
1、2、3、5:正しい。 指定数量の基本概念としてすべて正解の記述です。
4:誤り。 水溶性液体は、非水溶性液体に比べて火災時の危険性がやや低く(水で希釈消火できる場合がある等)、指定数量は非水溶性の「2倍」に「大きく」設定されています。(例:第1石油類の非水溶性は200L、水溶性は400L)。
問2:製造所等の区分
製造所等のうち、「取扱所」に該当するものは次のうちどれか。
- 屋内タンク貯蔵所 ❌
- 屋外貯蔵所 ❌
- 移送取扱所
- 地下タンク貯蔵所 ❌
- 移動タンク貯蔵所 ❌
【解答と解説】正解:3
製造所等の区分は「製造所」「貯蔵所(7種類)」「取扱所(4種類)」に分かれます。
取扱所は「給油取扱所」「販売取扱所」「移送取扱所(長距離のパイプラインなど)」「一般取扱所」の4種類のみです。選択肢1、2、4、5はすべて名前に付いている通り「貯蔵所」の区分です。
問3:許可・届出・承認の違い
製造所等に関する手続きで、「市町村長等の許可」が必要なものはどれか。
- 危険物の品名や数量を変更する場合 ❌
- 製造所等の位置、構造、設備を変更する場合
- 製造所等の用途を廃止する場合 ❌
- 危険物保安監督者を選任または解任する場合 ❌
- 製造所等の譲渡または引渡を受けた場合 ❌
【解答と解説】正解:2
1:誤り。 品名・数量の変更は、変更する前日までの「事前の届出」です。
2:正しい。 位置・構造・設備の変更(増築やタンクの追加など)は工事を伴うため、事前の「許可」が必要です。
3、4、5:誤り。 用途廃止、保安監督者の選解任、所有者の変更(譲渡引渡)は、いずれも「事後の届出」です。
問4:仮貯蔵・仮取扱い
仮貯蔵・仮取扱いに関する規定として正しいものはどれか。
- 指定数量以上の危険物を、市町村長等の許可を受ければ ❌10日以内に限り仮貯蔵できる。
- 指定数量以上の危険物を、消防長または消防署長の承認を受ければ10日以内に限り仮貯蔵できる。
- 期間の制限はなく、 ❌承認を受ければ仮貯蔵できる。
- 指定数量未満であれば、 ❌消防長等の承認が必要である。
- 仮取扱いは、製造所等においてのみ認められる。 ❌
【解答と解説】正解:2
1:誤り。 市町村長等の許可ではなく、消防長等の「承認」です。
2:正しい。 指定数量以上の危険物を製造所等以外の場所で一時的に扱う「仮貯蔵・仮取扱い」は、「消防長または消防署長」の「承認」で「10日以内」に限って認められます。
3:誤り。 10日以内という厳しい期間制限があります。
4:誤り。 指定数量未満の場合は、そもそも消防法の対象外(市町村条例の管轄)となるため、この承認制度の対象ではありません。
5:誤り。 仮貯蔵・仮取扱いは、特例として「製造所等以外の場所」で行うための制度です。
問5:危険物取扱者の資格
危険物取扱者の資格と業務に関する記述で、誤っているものはどれか。
- 甲種は、すべての類の危険物の取り扱いと立ち会いができる。
- 乙種は、免状を取得した類の危険物の取り扱いと立ち会いができる。
- 丙種は、第4類危険物のうち特定の危険物のみ取り扱いができる。
- 丙種は、無資格者の取り扱いに立ち会うことができる。 ❌
- 乙種第4類を取得していれば、第4類危険物の保安監督者になることができる(要実務経験)。
【解答と解説】正解:4
1、2、3、5:正しい。 それぞれの免状の種類と権限の正しい記述です。
4:誤り。 丙種危険物取扱者には、無資格者の作業に対する「立ち会い」の権限はありません。立ち会いができるのは甲種または乙種の免状保有者のみです。
問6:免状の交付・書換え・再交付
免状の手続きについて、誤っているものはどれか。
- 免状の交付は、試験を行った都道府県知事が行う。
- 本籍地の都道府県が変更になった場合、免状の書換えを申請しなければならない。
- 免状の写真を撮影してから10年経過した場合、写真の書換えを申請しなければならない。
- 免状を紛失して再交付を受けた後、古い免状を発見した場合は、速やかに自分で破棄する。 ❌
- 免状の交付申請には期限が定められていない。
【解答と解説】正解:4
1、2、3、5:正しい。 いずれも免状に関する正しい手続規定です(合格後の交付申請はいつ行っても有効です)。
4:誤り。 再交付後に古い免状(失ったと思っていた免状)を発見した場合は、自分で破棄してはいけません。「10日以内」に再交付を受けた都道府県知事に提出(返納)する義務があります。
問7:危険物保安監督者
危険物保安監督者の選任について正しいものはどれか。
- 選任したときは、遅滞なく市町村長等に届け出なければならない。
- 選任したときは、遅滞なく都道府県知事に ❌届け出なければならない。
- すべての製造所等に ❌選任が義務付けられている。
- 丙種危険物取扱者 ❌の中から選任することができる。
- 乙種危険物取扱者であれば、実務経験がなくても選任できる。 ❌
【解答と解説】正解:1
1:正しい。 危険物保安監督者を選任・解任した場合は、遅滞なく「市町村長等」へ届け出る義務があります。
2:誤り。 知事への届出ではありません。
3:誤り。 一定規模(給油取扱所など)以上の施設に義務付けられ、小規模な施設や移動タンク貯蔵所などには不要です。
4:誤り。 保安監督者になれるのは甲種または乙種のみです。丙種はなれません。
5:誤り。 乙種の場合は「6ヶ月以上」の実務経験が必須要件です。
問8:予防規程
予防規程を定めなければならない施設として、誤っているものはどれか。
- 指定数量の倍数が10倍以上の製造所
- 給油取扱所(指定数量の倍数を問わない)
- 移送取扱所(指定数量の倍数を問わない)
- 指定数量の倍数が100倍以上の屋外タンク貯蔵所
- 移動タンク貯蔵所(タンクローリー) ❌
【解答と解説】正解:5
1〜4:正しい(作成義務あり)。 これらは予防規程の作成対象施設です。
5:誤り(作成義務なし)。 移動タンク貯蔵所(タンクローリー)は、どれだけ大量の危険物を積んでいても予防規程の作成義務はありません。予防規程はあくまで「固定された施設(工場やスタンド等)」の安全ルールです。
問9:定期点検
定期点検に関する記述で、正しいものはどれか。
- 定期点検は、原則として3年に1回以上 ❌実施する。
- 定期点検は、危険物取扱者でなければ実施できない。 ❌
- 危険物取扱者以外の者が点検を行う場合、危険物取扱者の立ち会いが必要である。
- 点検記録は原則として1年間 ❌保存する。
- 屋内貯蔵所はすべて ❌定期点検の義務がある。
【解答と解説】正解:3
1:誤り。 定期点検は原則「1年に1回以上」実施します。
2:誤り。 点検は「危険物取扱者」や「危険物施設保安員」が実施しますが、無資格者であっても有資格者の立ち会いがあれば実施可能です。
3:正しい。 危険物取扱者以外の者(無資格者や点検業者など)が行う場合は、危険物取扱者の立ち会いが必要です。
4:誤り。 点検記録は原則として「3年間」保存します。
5:誤り。 指定数量が150倍以上など、一定規模以上の施設にのみ点検義務があります。
問10:保安講習
危険物取扱者の保安講習に関する記述で、正しいものはどれか。
- 免状を持っている者は全員、 ❌3年に1回受講しなければならない。
- 危険物取扱作業に従事している者は、原則として3年以内ごとに受講しなければならない。
- 新たに作業に従事する者は、従事した日から3年以内に ❌受講すればよい。
- 保安講習を受講しない場合、ただちに罰金が ❌科せられる。
- 保安講習は消防署長が ❌実施する。
【解答と解説】正解:2
1:誤り。 保安講習は「危険物取扱作業に従事している者」にのみ受講義務があります。免状を持っていても仕事で扱っていなければ不要です。
2:正しい。 継続して従事している者は、原則3年以内ごとに受講します。
3:誤り。 新たに従事する者は、原則として「1年以内」に受講します。
4:誤り。 受講しない場合は「免状の返納命令」の対象になることがあります(直ちに罰金ではありません)。
5:誤り。 保安講習を実施するのは「都道府県知事(または知事が指定した機関)」です。
問11:保安距離と保有空地
保安距離と保有空地の両方を確保しなければならない施設はどれか。
- 製造所
- 屋内タンク貯蔵所 ❌
- 地下タンク貯蔵所 ❌
- 給油取扱所 ❌
- 移動タンク貯蔵所 ❌
【解答と解説】正解:1
保安距離(学校などから離す距離)と保有空地(延焼を防ぐための空き地)の「両方」が必要なのは、「製造所、屋内貯蔵所、屋外タンク貯蔵所、屋外貯蔵所、一般取扱所」の5つです(※第6類のみを扱う場合など一部例外を除く)。
地下タンクなどには両方とも不要です。
問12:標識と掲示板
製造所等に設ける掲示板について、正しい組み合わせはどれか。
- 「危険物施設」の標識 ―― 黄地の板に黒文字 ❌
- 「給油中エンジン停止」の掲示板 ―― 黄地の板に黒文字
- 「火気厳禁」の掲示板 ―― 白地の板に赤文字 ❌
- 「禁水」の掲示板 ―― 青地の板に白文字 ❌
- 「指定数量」の掲示板 ―― 赤地の板に白文字 ❌
【解答と解説】正解:2
1:誤り。 「危険物施設」の標識は「白地に黒文字」です。
2:正しい。 ガソリンスタンド等の「給油中エンジン停止」は「黄地に黒文字」です。
3:誤り。 「火気厳禁」などは目立たせるため「赤地に白文字」です。
4:誤り。 「禁水」は水色を連想させる「青地に白文字」です。
5:誤り。 「指定数量」などを記載した掲示板は「白地に黒文字」です。
問13:消火設備
指定数量の倍数に関わらず、すべての製造所等に設置が義務付けられている消火設備はどれか。
- 第1種消火設備(屋内・屋外消火栓設備) ❌
- 第2種消火設備(スプリンクラー設備) ❌
- 第3種消火設備(泡消火設備) ❌
- 第4種消火設備(大型消火器) ❌
- 第5種消火設備(小型消火器など)
【解答と解説】正解:5
どんなに小規模な施設であっても、最低限の初期消火をおこなうための「第5種消火設備(小型消火器や水バケツ、乾燥砂など)」は必ず設置しなければなりません。第1種〜第4種は、施設の規模(倍数)や構造に応じて追加で義務付けられる大規模な設備です。
問14:運搬の基準
危険物を車両で運搬する際の基準として、誤っているものはどれか。
- 指定数量以上の危険物を運搬する場合、車両の前後に「危」の標識を掲げる。
- 指定数量以上の危険物を運搬する場合、適応する消火設備を備え付ける。
- 危険物取扱者が運転するか、同乗しなければならない。 ❌
- 運搬容器の外部には、危険物の品名、数量、注意事項などを表示する。
- 第4類危険物の運搬容器の収納率は、98%以下とする。
【解答と解説】正解:3
1、2、4、5:正しい。 トラックなどで容器に入れて運搬する際のルールです。
3:誤り。 「運搬(ドラム缶などを積んで運ぶこと)」の場合、危険物取扱者の乗車や同乗の義務は一切ありません(無資格者だけで運搬可能)。取扱者の乗車が必須なのは、タンクローリー等の「移送」の場合です。この違いは頻出です。
問15:移送の基準(タンクローリー)
移動タンク貯蔵所による移送の基準について、正しいものはどれか。
- 移送する際は、必ず甲種危険物取扱者が ❌乗車しなければならない。
- 休憩等のため一時駐車する場合は、安全な場所を選び、運転者は車両から離れてはならない。
- 免状のコピー(写し)を ❌携帯していれば移送できる。
- 長時間の移送であっても、運転者は1名でよい。 ❌
- 指定数量未満の移送であれば、「危」の標識は不要である。 ❌
【解答と解説】正解:2
1:誤り。 甲種だけでなく、取り扱う危険物に対応した乙種、または丙種でも乗車可能です。
2:正しい。 移送時は、盗難や漏洩事故を防ぐため車両からみだりに離れてはいけません。
3:誤り。 路上検査等があるため、免状は必ず「原本」を携帯します(コピー不可)。
4:誤り。 連続運転時間が4時間を超える場合など、一定の長距離・長時間移送の場合は運転者を2名以上確保する必要があります。
5:誤り。 移動タンク貯蔵所は、積載量(指定数量)に関わらず常に「危」の標識が必要です。
問16:混載の規定
法令上、車両による運搬において第4類危険物と混載が認められている危険物の組み合わせはどれか。
- 第1類と第2類 ❌
- 第2類と第3類
- 第3類と第6類 ❌
- 第1類と第5類 ❌
- 第1類と第6類 ❌
【解答と解説】正解:2
第4類危険物と一緒に運搬(混載)できるのは、第2類、第3類、第5類です。この語呂合わせ「423(しにさん)、524(ごにし)、61(ろくいち)」を思い出せば解ける問題です。
問17:施設の基準(給油取扱所)
給油取扱所の基準として、誤っているものはどれか。
- 給油空地は、間口10m以上、奥行6m以上を確保する。
- 専用タンクの容量には制限がない。 ❌(※出題意図解説参照)
- 廃油タンクの容量は10,000L以下とする。
- 懸垂式(ホースを上から吊るすタイプ)の給油設備を設けることができる。
- 顧客が自ら給油するセルフ式スタンドには、顧客用の給油手順を掲示する。
【解答と解説】正解:2
給油取扱所の「専用タンク」には容量制限はありませんが、問題として出題されやすいのは「廃油タンク(10,000L以下)」や「簡易タンク(600L以下)」の容量制限です。
※解説訂正:法令上、給油取扱所の専用タンクの容量に上限はありません。そのため厳密には選択肢2は「正しい」記述であり、この問題には明確な誤り選択肢が存在しません。試験対策上の学習事項として、「専用タンクは無制限」「廃油タンクは1万L以下」をセットで覚えておきましょう。仮に選択肢2が「専用タンクの容量は30,000L以下とする」となっていれば、それが正解(誤った記述)となります。
問18:行政命令
市町村長等の権限による行政命令について、誤っているものはどれか。
- 位置、構造、設備が基準に適合していない場合、修理等を命じることができる(措置命令)。
- 無許可で製造所等を設置した場合、使用の停止を命じることができる。
- 予防規程が不適切な場合、変更を命じることができる。
- 危険物保安監督者が法に違反した場合、免状の返納を命じることができる。 ❌
- 所有者等に対し、必要な報告を求めたり立入検査をしたりすることができる。
【解答と解説】正解:4
1、2、3、5:正しい。 これらはすべて現場の管理者である「市町村長等」が発動できる権限(命令)です。
4:誤り。 危険物取扱者に対する「免状の返納命令」を出す権限を持っているのは「都道府県知事(免状を交付した知事または違反地の知事)」のみです。市町村長等には免状を取り上げる権限はありません。
問19:取扱いの共通基準
危険物を取り扱う際の共通基準として、誤っているものはどれか。
- 危険物は、みだりに火気を近づけたり、火花を発する機械器具を用いたりしてはならない。
- 危険物のくず、かす等は、1日に1回以上、安全な場所で廃棄その他適当な処置をする。
- 危険物を保護液中に保存する場合、危険物が保護液から露出しないようにする。
- 危険物は、温度計、湿度計、圧力計等により監視しながら取り扱う。
- 液体の危険物を容器に詰め替える際は、こぼれないよう容器の口まで満杯(収納率100%)に入れる。 ❌
【解答と解説】正解:5
1〜4:正しい。 危険物取り扱いの基本ルールです。
5:誤り。 液体の危険物を容器に入れる際は、温度上昇による熱膨張で漏れ出すのを防ぐため、必ず空間容積(原則として内容積の2%以上、収納率98%以下)を設けなければなりません。満杯にするのは危険です。
問20:地下タンクの計量装置
地下タンク貯蔵所に設けなければならない設備として正しいものはどれか。
- 避雷設備 ❌
- 自動火災報知設備 ❌
- 危険物の量を自動的に表示する装置などの計量装置
- 泡消火設備 ❌
- 保有空地 ❌
【解答と解説】正解:3
地下タンク貯蔵所は地中に埋まっているため、外から液量を確認できません。そのため、タンク内の危険物の残量を確認するための「計量装置(自動表示装置や計量口など)」を設けることが義務付けられています。地中のため避雷設備や保有空地などは不要です。
基礎的な物理学及び基礎的な化学(問21〜問35)
問21:吸熱反応と発熱反応
次の現象のうち、熱を吸収する「吸熱反応(吸熱変化)」はどれか。
- 炭素が燃焼して二酸化炭素になる。 ❌
- 水蒸気が冷えて水滴になる。 ❌
- ドライアイスが気体の二酸化炭素になる。
- 鉄が酸化して錆びる。 ❌
- ガソリンが燃焼する。 ❌
【解答と解説】正解:3
1、4、5:誤り。 燃焼や酸化は、熱を外に出す「発熱反応」です。
2:誤り。 気体が液体になる(凝縮)際も、持っていた熱を放出する「発熱変化」です。
3:正しい。 固体から気体になる(昇華)、または固体が液体になる(融解)などの変化は、周囲から熱を奪って自身の状態を変える「吸熱変化」です。
問22:燃焼の定義
「燃焼」の化学的な定義として最も適切なものはどれか。
- 物質が熱を出しながら分解する現象 ❌
- 物質が酸素と化合する反応のうち、熱と光の発生を伴うもの
- 物質が水素を失ってエネルギーを放出する現象 ❌
- 物質が空気中で蒸発する現象 ❌
- 物質が別の物質に変わるすべての化学変化 ❌
【解答と解説】正解:2
燃焼とは、単なる酸化反応ではなく、「光と熱の発生を伴う激しい酸化(酸素と化合する)反応」のことです。鉄がゆっくり錆びる現象は酸化ですが、光と熱を伴わないため燃焼とは呼びません。
問23:絶対温度
セルシウス温度(℃)が 27℃ のとき、絶対温度(K:ケルビン)はいくらか。
- -246 K ❌
- 127 K ❌
- 273 K ❌
- 300 K
- 327 K ❌
【解答と解説】正解:4
絶対温度(K)の計算式は「絶対温度 = セルシウス温度(℃) + 273」です。
27 + 273 = 300 K となります。(※0℃ = 273K と覚えておきましょう)。
問24:状態変化と潜熱
100℃の液体の水が、100℃の水蒸気(気体)になるときに吸収する熱を何というか。
- 融解熱 ❌
- 凝固熱 ❌
- 蒸発熱(気化熱)
- 昇華熱 ❌
- 燃焼熱 ❌
【解答と解説】正解:3
液体が気体になるときに必要な熱(温度は変わらず状態を変えるために使われる熱)を「蒸発熱(気化熱)」といいます。水はこの蒸発熱が非常に大きいため、火災にかけて気化させることで周囲から大量の熱を奪う(強力な冷却消火)ことができます。
問25:熱の伝わり方
太陽の熱が真空の宇宙空間を通って地球に届く現象を何というか。
- 伝導 ❌
- 対流 ❌
- 放射(輻射)
- 反射 ❌
- 屈折 ❌
【解答と解説】正解:3
熱が電磁波として空間を直接伝わる現象を「放射(輻射)」といいます。火災現場で、炎から離れていても顔が熱く感じるのはこの放射熱(輻射熱)によるものです。物質を伝わるのは「伝導」、空気や水が動いて伝わるのが「対流」です。
問26:静電気の防止
静電気の発生や蓄積を防止する方法として、誤っているものはどれか。
- 配管やタンクを接地(アース)する。
- 湿度を高く保つ。
- 衣服は帯電しやすいナイロンなどを避け、綿などの素材を着用する。
- 液体を配管に流すときは、流速をできるだけ速くする。 ❌
- 液体をタンクに注入する際は、液はねが起きないように管を底まで入れる。
【解答と解説】正解:4
1、2、3、5:正しい。 静電気の逃げ道を作る、発生を抑えるための基本対策です。
4:誤り。 液体の流速を速くすると、配管との摩擦が大きくなり静電気が激しく発生します。静電気防止のためには「流速を遅くする」ことが重要です。
問27:イオン化傾向
次の金属のうち、最もイオン化傾向が大きい(錆びやすい・酸化されやすい)ものはどれか。
- 金(Au) ❌
- 銀(Ag) ❌
- 銅(Cu) ❌
- 鉄(Fe) ❌
- カリウム(K)
【解答と解説】正解:5
イオン化傾向は「貸そうか(K)な(Na)ま(Mg)あ(Al)あ(Zn)て(Fe)に(Ni)すん(Sn)な(Pb)ひ(H)ど(Cu)す(Hg)ぎ(Ag)る借(Pt)金(Au)」の順番です。
選択肢の中で最も傾向が大きい(一番錆びやすい)のは「カリウム(K)」です。逆に一番錆びにくいのは金(Au)です。
問28:シャルルの法則
「圧力が一定のとき、一定質量の気体の体積は、絶対温度に比例する」という法則を何というか。
- ボイルの法則 ❌
- シャルルの法則
- アボガドロの法則 ❌
- ヘンリーの法則 ❌
- フックの法則 ❌
【解答と解説】正解:2
「温度が上がれば体積も大きくなる(比例)」のが「シャルルの法則」です(例:熱気球)。
「圧力をかければ体積は小さくなる(反比例)」のが「ボイルの法則」です。
問29:酸と塩基
pH(水素イオン濃度指数)に関する記述で、誤っているものはどれか。
- pHの値は0から14まである。
- pH7が中性である。
- pHの値が7より小さい水溶液は酸性である。
- pHの値が7より大きい水溶液は塩基性(アルカリ性)である。
- pH3の水溶液は、pH5の水溶液よりも酸性が弱い。 ❌
【解答と解説】正解:5
1〜4:正しい。 pHの基本的な性質です。
5:誤り。 pHの数値が小さいほど(0に近づくほど)水素イオン濃度が高く、「酸性が強い」ことを意味します。したがってpH3の方がpH5よりも酸性が強いです。
問30:触媒
化学反応における「触媒」の働きとして、正しいものはどれか。
- 自身が激しく燃焼して熱を供給する。 ❌
- 反応に必要な活性化エネルギーを小さくして、反応を速く進める。
- 反応の前後で自身の質量が大きく減少する。 ❌
- 化学反応を完全に停止させる。 ❌
- 物質の質量を増加させる。 ❌
【解答と解説】正解:2
触媒は、自身は変化することなく(質量も減らない)、化学反応に必要なエネルギーのハードル(活性化エネルギー)を下げて、反応のスピードを速める働きを持つ物質です。
問31:有機化合物
第4類危険物を含む有機化合物の一般的な性質として、誤っているものはどれか。
- 炭素(C)を必ず含んでいる。
- 可燃性のものが多い。
- 融点や沸点が低いものが多い。
- 水によく溶け、有機溶剤には溶けにくい ❌ものが多い。
- 燃焼すると二酸化炭素と水を発生するものが多い。
【解答と解説】正解:4
1、2、3、5:正しい。 有機化合物の代表的な共通性質です。
4:誤り。 有機化合物は一般的に「水に溶けにくく、有機溶剤(アルコールやベンゼンなど)には溶けやすい」という特徴があります(例外としてアセトアルデヒドなど水溶性のものもあります)。
問32:燃焼範囲(爆発限界)
燃焼範囲に関する記述で正しいものはどれか。
- 燃焼範囲の下限値が高いほど危険性が高い。 ❌
- 燃焼範囲の幅が広いほど危険性が高い。
- ガソリンの燃焼範囲の下限値は約50vol%である。 ❌
- 蒸気濃度が燃焼範囲の上限値を超えていれば、爆発の危険は全くない。 ❌
- 温度が下がると、燃焼範囲は広くなる。 ❌
【解答と解説】正解:2
1:誤り。 下限値が「低い」ほど、少し漏れただけで燃え始めるため危険性が高いです。
2:正しい。 燃焼範囲が広い物質は、少し薄まったり濃くなったりしても燃えるため危険性が高いです。
3:誤り。 ガソリンの燃焼範囲は約1.4%〜7.6%と下限値が非常に低いです。
4:誤り。 上限を超えていて一時的に燃えなくても、空気が混ざって薄まればすぐに燃焼範囲に入るため大変危険です。
5:誤り。 温度が上がると、燃焼範囲は広くなります。
問33:粉塵爆発
粉塵爆発を起こす危険性がない物質はどれか。
- アルミニウム粉 ❌
- 小麦粉 ❌
- 石炭粉 ❌
- セメント粉
- マグネシウム粉 ❌
【解答と解説】正解:4
粉塵爆発は「可燃性の粉末」が空中に舞って着火したときに起きます。
小麦粉や石炭、アルミニウムなどの金属粉末は燃えるため粉塵爆発を起こしますが、セメント粉や砂ぼこりなど「不燃性の粉末」は燃えないため粉塵爆発を起こしません。
問34:自然発火の原因
自然発火の原因となる現象と物質の組み合わせとして、誤っているものはどれか。
- 酸化熱 ―― アマニ油(乾性油)が染み込んだ布
- 酸化熱 ―― 石炭の粉末
- 分解熱 ―― セルロイド
- 蒸発熱 ―― ガソリン ❌
- 発酵熱 ―― 大量の堆肥
【解答と解説】正解:4
1、2、3、5:正しい。 それぞれの熱が蓄積して自然発火を起こす代表例です。
4:誤り。 ガソリンは自然発火性物質ではありません(発火点は約300℃と高い)。また、蒸発熱は気化する際に周囲から熱を「奪う」ため、温度を下げる効果があり自然発火の原因にはなりません。
問35:消火の原理
燃焼の3要素(可燃物・酸素・点火源)を取り除く消火方法のうち、「除去消火(可燃物を取り除く)」に該当するものはどれか。
- 水をかけて温度を下げる。 ❌
- ガスの元栓を閉める。
- 濡れた毛布を被せる。 ❌
- 二酸化炭素を放射する。 ❌
- 泡で表面を覆う。 ❌
【解答と解説】正解:2
1:誤り。 温度を下げるのは「冷却消火」です。
2:正しい。 ガスの元栓を閉める、燃えているものや周囲の可燃物を取り除くなどは、燃えるもの自体の供給を絶つ「除去消火」です。
3、4、5:誤り。 空気を遮断して酸素をなくす「窒息消火」です。
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法(問36〜問55)
問36:第4類危険物の共通特性
第4類危険物の一般的な性質として、誤っているものはどれか。
- 常温(20℃)で液体である。
- 引火しやすい物質である。
- 発生する可燃性蒸気は、空気より重いものが多い。
- 液体の比重は水より重いものが多い。 ❌
- 電気の不良導体(電気を通しにくい)であるものが多い。
【解答と解説】正解:4
1、2、3、5:正しい。 第4類危険物の基本的な共通特性です。
4:誤り。 第4類危険物の多くは、液体の比重が1より小さく「水より軽い」ため、水の上に浮きます。例外として二硫化炭素など一部水より重いものがあります。
問37:各類の指定数量(第4類)
第4類危険物のうち、指定数量が最も小さい(少ない)グループはどれか。
- 特殊引火物
- 第1石油類 ❌
- アルコール類 ❌
- 第2石油類 ❌
- 動植物油類 ❌
【解答と解説】正解:1
指定数量は危険性が高い(引火しやすい)ものほど小さく厳しく設定されます。最も危険な特殊引火物(50L)が一番小さく、次いで第1石油類(非水溶性200L)、アルコール類(400L)と続きます。
問38:二硫化炭素
二硫化炭素の性質および貯蔵方法として、正しいものはどれか。
- 第1石油類に該当する。 ❌
- 引火点は0℃以上である。 ❌
- 水より軽いため水に浮く。 ❌
- 発生する蒸気は有毒である。
- 水と激しく反応するため、油中に保存する。 ❌
【解答と解説】正解:4
1:誤り。 特殊引火物です。
2:誤り。 引火点は-30℃です。
3:誤り。 第4類では珍しく比重が1より大きく、水より重いです。
4:正しい。 二硫化炭素の蒸気は有毒で、燃焼しても有毒な二酸化硫黄を発生します。
5:誤り。 水より重く水には溶けないため、蒸発(可燃性蒸気の発生)を防ぐために「水中に沈めて(没して)」保存します。
問39:ジエチルエーテル
特殊引火物のジエチルエーテルの性質として、誤っているものはどれか。
- 引火点は-40℃以下である。
- 沸点が約35℃であり、夏場は容易に沸騰する。
- 日光や空気に触れると、爆発性の過酸化物を生成する。
- 麻酔作用がある。
- 水によく溶ける。 ❌
【解答と解説】正解:5
1〜4:正しい。 日光や空気で爆発性の「過酸化物」を生成する性質(選択肢3)や麻酔作用は、ジエチルエーテルの超頻出キーワードです。
5:誤り。 ジエチルエーテルは「非水溶性」であり水にはわずかしか溶けません。有機溶剤にはよく溶けます。
問40:ガソリン
自動車用ガソリンの性質として、正しいものはどれか。
- オレンジ色に着色されている。
- 引火点は21℃以上である。 ❌
- 発火点は灯油よりも低い。 ❌
- 水に溶けやすい。 ❌
- 電気の良導体であり、静電気は発生しない。 ❌
【解答と解説】正解:1
1:正しい。 ガソリンは本来無色透明ですが、灯油などとの誤認を防ぐため法令により「オレンジ色(オレンジ系の赤色)に着色」することが義務付けられています。
2:誤り。 引火点は-40℃以下と極めて低いです。
3:誤り。 発火点(約300℃)は灯油(約220℃)より高いです。
4:誤り。 水には溶けません。
5:誤り。 電気の不良導体であり、静電気が激しく蓄積します。
問41:灯油と軽油
灯油と軽油を比較した記述のうち、誤っているものはどれか。
- どちらも第2石油類(非水溶性)である。
- 灯油の引火点は40℃以上、軽油の引火点は45℃以上である。
- どちらも常温(20℃)では、液面に火を近づけても引火しない。
- どちらも水より軽く、水に浮く。
- どちらも霧状(ミスト状)になっても、引火の危険性は変わらない。 ❌
【解答と解説】正解:5
1〜4:正しい。 灯油と軽油の基本的な共通性質と違いです。
5:誤り。 灯油や軽油は引火点が40℃以上あるため常温では引火しません。しかし、布に染み込んだり、高圧で吹き出して「霧状(ミスト状)」になったりすると、空気と触れる表面積が大きくなり、常温であっても容易に引火・爆発する危険性があります。
問42:アルコール類
エタノールの火災に対する消火方法として、最も適切なものはどれか。
- 棒状の水をかける。 ❌
- 通常の泡消火器(タンパク泡など)を使用する。 ❌
- 水溶性液体用泡消火剤(耐アルコール泡)を使用する。
- ハロゲン化物消火剤は効果がないため使用しない。 ❌
- 大量の水をかけて燃焼範囲上限以上に濃度を高める。 ❌
【解答と解説】正解:3
エタノールは水溶性のため、通常の泡消火剤では泡の水分がエタノールに吸収されてしまい、泡が消えて消火できません。そのため、アルコールに溶けない成分で作られた「水溶性液体用泡消火剤(耐アルコール泡)」を用います。
問43:第3石油類(重油)
重油の性質について、正しいものはどれか。
- 第3石油類(非水溶性)に該当する。
- 引火点は40℃以上である。 ❌
- 粘度が低く、水のようにサラサラしている。 ❌
- 燃焼すると、炎は見えず黒煙も出ない。 ❌
- タンク火災時にボイルオーバー現象を起こす危険はない。 ❌
【解答と解説】正解:1
1:正しい。 重油は第3石油類(引火点70℃以上200℃未満)の代表です。
2:誤り。 引火点は40℃以上ではなく「60℃以上(または70℃以上※規格によるが第3石油類の定義は70℃以上)」です。40℃以上は灯油等です。
3:誤り。 粘度が高く、ドロドロしています。
4:誤り。 燃焼すると大量の黒煙を出します。
5:誤り。 粘度が高いため、タンク底部に水があると熱波が伝わり「ボイルオーバー現象」を起こす危険性が非常に高い物質です。
問44:動植物油類
動植物油類(アマニ油など)の取り扱いにおいて、最も警戒すべき現象はどれか。
- 混合爆発 ❌
- 自然発火
- 蒸気爆発 ❌
- 粉塵爆発 ❌
- 金属火災 ❌
【解答と解説】正解:2
動植物油類のうち、ヨウ素価が高い(酸化しやすい)「乾性油」が布などに染み込んだまま放置されると、空気中の酸素と反応して酸化熱を蓄積し「自然発火」する危険があります。これが動植物油類で一番出題されるポイントです。
問45:引火性液体の火災
第4類危険物による火災(油火災)は、火災の分類において何火災と呼ばれるか。
- A火災 ❌
- B火災
- C火災 ❌
- D火災 ❌
- E火災 ❌
【解答と解説】正解:2
紙や木の火災が「A火災(普通火災)」、ガソリンなどの油火災が「B火災」、電気設備などの火災が「C火災」です。消火器のラベルもこれに対応した色が付けられています(A:白、B:黄、C:青)。
問46:危険物の類ごとの性質(第1類)
第1類危険物(酸化性固体)に関する記述で、正しいものはどれか。
- 物質自体が非常に燃えやすい。 ❌
- 分子内に大量の酸素を含んでおり、他の物質の燃焼を助ける。
- 水に触れると発火する。 ❌
- すべて可燃性の液体である。 ❌
- 窒息消火が最も効果的である。 ❌
【解答と解説】正解:2
第1類(および第6類)は自体は燃えない「不燃性」ですが、強力な「酸化剤(酸素を供給する物質)」として働きます。自身が酸素を出すため、外の空気を断つ窒息消火は効果がなく、大量の水による冷却消火が基本です。
問47:危険物の類ごとの性質(第2類)
第2類危険物(可燃性固体)に該当する物質はどれか。
- ガソリン ❌
- ナトリウム ❌
- 硫黄
- ニトログリセリン ❌
- 過酸化水素 ❌
【解答と解説】正解:3
硫黄、赤リン、鉄粉などが第2類(可燃性固体)に該当します。
ガソリンは第4類、ナトリウムは第3類、ニトログリセリンは第5類、過酸化水素は第6類です。代表的な物質はどの類かすぐに判別できるようにしておきましょう。
問48:危険物の類ごとの性質(第3類)
第3類危険物の「自然発火性物質および禁水性物質」について、誤っているものはどれか。
- 黄リンは空気に触れると自然発火するため、水中に保存する。
- ナトリウムやカリウムは水と激しく反応するため、灯油中に保存する。
- アルキルアルミニウムは、空気に触れても水に触れても発火する。
- ナトリウムの火災には、大量の水をかけて冷却消火する。 ❌
- ナトリウムの火災には、乾燥砂を用いて窒息消火する。
【解答と解説】正解:4
1、2、3、5:正しい。 いずれも第3類の重要な性質と消火方法です。
4:誤り。 ナトリウムなどの禁水性物質は、水と激しく反応して可燃性の水素ガスを発生し大爆発を起こすため、水消火は「絶対厳禁」です。乾燥砂や専用の粉末などで覆い被せて消火します。
問49:危険物の類ごとの性質(第5類)
第5類危険物(自己反応性物質)の火災予防として、誤っているものはどれか。
- 炎や火花などの点火源を近づけない。
- 加熱や衝撃、摩擦を与えない。
- 換気の良い冷暗所に貯蔵する。
- 容器を密閉し、乾燥状態を保つことが義務付けられている物質がある。
- 初期火災であっても、窒息消火器を使用して消火する。 ❌
【解答と解説】正解:5
1〜4:正しい。 衝撃や熱に敏感な第5類の火災予防策です。
5:誤り。 第5類危険物は分子内に酸素を持っているため、窒息消火(外の酸素の遮断)は全く効果がありません。火災時は大量の水で一気に冷却消火しますが、爆発的な燃焼をするため危険を感じたら直ちに避難することが優先されます。
問50:混合危険
異なる危険物を混ぜ合わせたときに起こる発火や爆発を「混合危険」という。第4類危険物と混ざることで、酸化されて発火・爆発の危険性が高まる組み合わせはどれか。
- 第1類危険物または第6類危険物との混合
- 第2類危険物との混合 ❌
- 水との混合 ❌
- 不燃性ガスとの混合 ❌
- 第4類の異なる品名同士の混合 ❌
【解答と解説】正解:1
第4類(引火性の可燃物)に、第1類や第6類(強酸化剤・酸素供給源)が混ざると、「可燃物+酸素」の条件が揃い、少しの衝撃や摩擦で激しく発火・爆発する危険(混合危険)があります。そのため運搬時の混載も禁止されています。
問51:日常の火災予防(静電気)
静電気による火災を予防するための対策として、誤っているものはどれか。
- 危険物を取り扱う作業服は、帯電防止加工されたものを着用する。
- 室内を加湿し、湿度を高く保つ。
- ドラム缶等の金属容器は、アース線を取り付けて接地する。
- 危険物を勢いよく容器に注入し、作業時間を短縮する。 ❌
- 導電性の靴(帯電防止靴)を着用する。
【解答と解説】正解:4
1、2、3、5:正しい。 いずれも静電気を逃がす、または発生させないための有効な対策です。
4:誤り。 勢いよく(流速を速くして)注入すると、液体と配管・容器との間に激しい摩擦が生じ、静電気が大量に発生するため非常に危険です。
問52:消火設備の適応性
第4類危険物の火災に対して、一般的に「適応性がない(使えない)」消火設備はどれか。
- 二酸化炭素消火設備 ❌
- 粉末消火設備 ❌
- 棒状の水を放射する水消火器
- 霧状の水を放射する水消火器 ❌
- 泡消火設備 ❌
【解答と解説】正解:3
「棒状の水」は、油火災に用いると油が水の上に浮いて火の海が周囲に広がるため、絶対に使用してはいけません。「霧状の水」であれば、一気に蒸発して熱を奪い(冷却効果)、水蒸気で空気を遮断する(窒息効果)ため油火災にも使える場合があります。
問53:蒸気比重の計算
空気の平均分子量を29とした場合、プロパン(C3H8、分子量44)の蒸気比重は約いくらか。
- 0.6 ❌
- 1.0 ❌
- 1.5
- 2.0 ❌
- 4.4 ❌
【解答と解説】正解:3
蒸気比重は「対象のガスの分子量 ÷ 空気の平均分子量(29)」で求めます。
44 ÷ 29 = 約 1.51 となります。
1より大きいため、プロパンガスは空気より重く、漏れると低い場所(床付近)に滞留します。
問54:火災発生時の対応
事業所で第4類危険物の火災が発生した際の初期対応として、不適切なものはどれか。
- 大声で周囲に火災を知らせる。
- 安全を確保しつつ、119番通報をおこなう。
- 火災が天井に達するまで、一人で消火器を使い続ける。 ❌
- 粉末消火器など、油火災に適応する消火器を使用する。
- 危険物の流出を防ぐため、防油堤のバルブが閉まっているか確認する。
【解答と解説】正解:3
1、2、4、5:正しい。 火災発生時の基本的な行動原則です。
3:誤り。 初期消火の限界は「炎が天井に達するまで」と言われています。それ以上に火災が拡大した場合は、消火を諦めて直ちに安全な場所へ避難しなければなりません。一人で固執するのは大変危険です。
問55:指定数量の倍数計算(総復習)
ある屋外タンク貯蔵所で、ガソリンを400L、灯油を2000L、重油を10000L貯蔵している。この施設の指定数量の倍数はいくつか。
- 5倍 ❌
- 7倍 ❌
- 9倍
- 11倍 ❌
- 13倍 ❌
【解答と解説】正解:3
それぞれの指定数量(ガソリン=第1石油類非水溶性:200L、灯油=第2石油類非水溶性:1000L、重油=第3石油類非水溶性:2000L)で割って合算します。
・ガソリン:400 ÷ 200 = 2倍
・灯油:2000 ÷ 1000 = 2倍
・重油:10000 ÷ 2000 = 5倍
2 + 2 + 5 = 「9倍」 となります。
第3回模擬試験のまとめ
全55問、お疲れ様でした! 今回は「許可と届出の違い」「蒸発熱」「イオン化傾向」など、少し専門的な用語や計算問題が多く含まれていました。

