
危険物取扱者 乙種第4類
重要用語・定義 完全解説辞典
あ行
アース(接地)
静電気の蓄積を防ぎ、放電火花による引火事故を予防するため、危険物設備や機器を地球(大地)に電気的に接続すること。
アルカリ
水に溶けたときに水酸化物イオン(OH⁻)を生じ、pHが7より大きい塩基性の物質。酸を中和する性質を持つ。
安全データシート(SDS)
化学物質の名称、危険有害性、応急措置、取扱上の注意事項、保管方法等を詳細に記載した安全情報シート。
引火
可燃性液体などの表面から発生した可燃性蒸気が、点火源(裸火や火花)によって着火し、燃焼を始める現象。
引火点
可燃性液体が点火源によって引火するのに十分な濃度の蒸気を発生する最低の液温。乙4危険物の危険性判定の基準。
引火性液体
常温(20℃)で液体であり、火源を加えた際に引火する危険性を有する物質。消防法第4類危険物に該当する。
引火源
可燃物に着火エネルギーを与える源。裸火、電気火花、静電気放電、高温加熱体、摩擦熱などが含まれる。
移動タンク貯蔵所
車両(タンクローリー等)に固定されたタンクで危険物を貯蔵・取扱う施設。移動移動中および移送中の安全基準が定められる。
移送取扱所
事業所外へ危険物をパイプラインおよびポンプ施設等によって輸送・移送する危険物取扱施設。
一般取扱所
製造所、給油、販売、移動タンク以外の目的で指定数量以上の危険物を取扱う施設(ボイラー施設、塗装工場など)。
イオン
原子または分子が電子を失う(陽イオン)か、電子を得る(陰イオン)ことで電気を帯びた状態になった粒子。
イオン化傾向
金属が水溶液中で電子を放出して陽イオンになろうとする容易さ(反応性の強さ)を示した配列。
液温
液体の温度。可燃性液体の液温が上昇すると蒸気圧が高まり、引火点に達すると危険性が飛躍的に高まる。
液体
一定の容積をもつが形状は自由に変えられる状態。乙4危険物はすべて「常温(20℃)で液体」である。
液化
気体が冷却または加圧されることによって、気体状態から液体状態へ物理的に状態変化する現象。
液面燃焼
可燃性液体の表面から蒸発した可燃性蒸気が空気と混合し、液面のすぐ上で連続して燃焼する形態。
運搬
危険物を容器に収納し、車両や船舶等で移動・搬送する行為。指定数量未満であっても消防法の運搬基準が適用される。
運搬容器
危険物を運搬する際に収納する容器。材質(鋼板、ガラス等)や構造、固縛方法、標識表示に関する保安基準が存在する。
運搬基準
危険物を安全に運搬するために法令で定められたルール。容器の積載方法、混載制限、標識の掲示義務などを含む。
か行
可燃限界(燃焼限界)
可燃性蒸気と空気の混合気が点火源によって燃焼を起こすことができる濃度の範囲(下限値〜上限値)。
可燃性
火源に触れた際に着火しやすく、継続して燃焼しやすい物質の物理的・化学的性質。
可燃物
燃焼の三要素の一つ。酸素と結合して発熱・発光反応を起こす物質(還元剤)。乙4液体は典型的な可燃物。
可燃性蒸気
液体や固体から立ち上る、空気と混合することで着火・爆発しうる燃焼性の気体。
換気
屋内に滞留した可燃性蒸気や有害ガスを屋外へ排出する措置。乙4蒸気は空気より重いため「低所からの排出」が必要。
化合物
2種類以上の異なる元素が化学結合によって決まった割合で結合してできた純物質(水 H₂O、二酸化炭素 CO₂ など)。
化学反応
物質を構成する原子の組み替えが起こり、元とは異なる性質を持つ新しい物質が生成する現象。
化学変化
物質の組成そのものが変化する現象(燃焼、酸化、分解など)。状態変化(物理変化)とは区別される。
化学式
元素記号と数字を用いて物質の化学的組成を表した式(分子式、組成式、構造式など)。
化学消火
消火剤の化学反応や連鎖反応の阻害(負触媒効果)を利用して、燃焼を抑制・停止させる消火方法。
化学泡消火剤
炭酸水素塩と硫酸アルミニウム等の水溶液を反応させ、二酸化炭素の気泡(泡)を生成して液面を覆う消火剤。
化学泡消火設備
化学泡を発生・放出し、油面を遮断して窒息・冷却消火を行う固定式の消火設備。
化学的燃焼
急激な酸化反応に伴って熱と光を発生する現化学的化学現象の総称。
過酸化物
分子構造内に「-O-O-」結合を持つ化合物。強酸化性であり、衝撃や加熱により容易に爆発的分解を起こす。
加熱
外部から熱エネルギーを与えて物質の温度を上昇させること。危険物の蒸発量を急増させる原因となる。
気化
液体状態の物質が気体状態へ変化する現象。表面から起こる「蒸発」と内部から起こる「沸騰」がある。
気体
形状も容積も自由に変形し、空間全体に拡散する物質の状態。
気密
気体や蒸気が漏れないよう、隙間なく完全に密閉された状態のこと。
揮発
液体が常温・常圧下で容易に気体(蒸気)となって立ち上る現象。
揮発性
液体が蒸気になりやすい性質。ガソリンやジエチルエーテルなどは非常に高い揮発性を持つ。
吸熱
物理変化や化学反応の際に、周囲から熱エネルギーを吸収する現象(蒸発潜熱や特定の化学反応)。
吸湿
物質が大気中の水蒸気を吸収する性質。水溶性危険物や無機塩類でよく見られる。
吸着
固体や液体の表面に、気体や他の溶解物質の分子が分子間力などによって引きつけられ固着する現象。
凝固
液体が冷却されて熱を放出し、固体状態へ物理的に変化する現象。その温度を凝固点という。
凝縮
気体が冷却や加圧によって液体へと状態変化する現象(結露など)。
空気
地球を取り巻く混合気体。体積比で窒素約78%、酸素約21%、アルゴン約1%等からなり、酸素は燃焼の供給源となる。
空気比重(蒸気比重)
同温・同圧での空気の密度を1とした場合の気体・蒸気の密度の比。第4類危険物の蒸気比重はすべて「1より重い」。
結晶
原子、分子、あるいはイオンが規則的かつ周期的に3次元配列している固体物質。
結晶水
結晶の構造内に一定の割合で組み込まれている水分子(水和物中の水)。
減圧
圧力を標準大気圧より低くすること。減圧下では沸点が低下し、低温でも蒸気が出やすくなる。
原子
物質を構成する基本的な微粒子。中心にある「原子核」と、その周りを回る「電子」から構成される。
原子核
原子の中心に位置し、プラスの電荷を持つ陽子と、電荷を持たない中性子からなる非常に小さな核。
原子量
質量数12の炭素原子(¹²C)の質量を12と定めたときの、各原子の相対的な質量値。
元素
同一の原子番号(陽子数)を持つ原子の種類の総称。現在118種類が確認されている。
高圧ガス
常温で1MPa以上となる圧縮ガスや、0.2MPa以上となる液化ガスなど、高圧ガス保安法で規制される気体。
公設消防
市町村などの自治体が設置・運営する常備消防組織(消防本部・消防署)。
光電式感知器
煙によって光が遮られたり散乱したりする変化を光電素子で検知する火災感知器。
酸
水溶液中で水素イオン(H⁺)を生じ、アルカリ(塩基)と反応してこれを中和する物質。pHは7未満。
酸化
物質が酸素と結合する反応、または物質が電子を失う化学反応。
酸化剤
他の物質を酸化させる性質の強い物質自身は還元される。第1類および第6類危険物が該当する。
酸化反応
物質が酸素と結合する化学反応。多くは発熱を伴い、急激な酸化反応が「燃焼」である。
酸化熱
物質が酸化する際に発生する熱エネルギー。蓄熱すると自然発火を引き起こす原因となる。
酸素
大気中に約21%存在する気体(O₂)。強力な助燃性(支燃性)を持ち、燃焼の三要素の「酸素供給源」となる。
混合物
2種類以上の純物質が化学結合せずに単に混ざり合っている物質(空気、石油、塩水など)。
固体
一定の形状と容積を保ち、外力に対して一定の抵抗を示す物質の状態。
固体燃焼
固体燃料が燃焼する形態。蒸発燃焼、分解燃焼、表面燃焼、自己燃焼に分類される。
呼吸作用
危険物タンク内の油温変動に伴い、液面の伸縮や蒸気圧変化によって空気が自動的に吸排気される物理現象。
さ行
再結晶
不純物を含む結晶を溶媒に溶かし、溶解度の差を利用して純粋な結晶を再び分離・析出させる精製操作。
自己反応性
物質自体の中に可燃性成分と酸素を併せ持ち、加熱や衝撃で極めて激しく分解・燃焼する性質(第5類危険物)。
自己燃焼
外部からの酸素供給を必要とせず、物質内部に含まれる酸素によって分解・燃焼が連鎖する形態。
自然発火
点火源がなくても、物質が空気中で分解熱や酸化熱を蓄積し、発火点に達して自発的に着火する現象。
指定数量
危険物の危険性を考慮して定められた法定の基準数量。この数量以上を貯蔵・取扱う場合は消防法の危険物施設制限を受ける。
指定可燃物
消防法上の危険物ではないが、火災が発生した場合に拡大が早く消火困難となるため市町村条例等で規制される可燃物。
支燃性(助燃性)
それ自体は燃えないが、可燃物の燃焼を助け促進する性質(酸素、二酸化窒素など)。
蒸気
常温常圧で液体または固体である物質が、気化して気体状態になっているもの。
蒸気圧
密閉容器内で液体とその蒸気が平衡状態にあるときの蒸気の圧力。温度が上昇すると指数関数的に高くなる。
蒸気密度
蒸気の単位体積あたりの質量。空気に対する比率を「蒸気比重」と呼ぶ。
蒸発
沸点に達していなくても、液体の表面から気体(蒸気)へと連続的に状態変化する現象。
消火
燃焼の三要素(可燃物・酸素供給源・点火源)のいずれかを断ち切り、燃焼反応を停止させること。
消火器
初期消火を目的に、手動で操作して消火薬剤を圧力で放射する可搬式または移動式の器具。
消火設備
火災発生時に消火を行うための設備。規模や危険度に応じて第1種から第5種消火設備に区分される。
消火剤
消火のために使用される化学薬剤(水、強化液、泡、粉末、炭酸ガス、ハロゲン化物など)。
消火方法
燃焼を止める原理。除去効果、窒息効果、冷却効果、抑制効果(負触媒)の4原則に分類される。
消火栓
大量の消火用水を供給・放射するための水力消火設備。屋内消火栓(第1種)や屋外消火栓(第2種)がある。
消火粉末
炭酸水素塩やリン酸塩などを防湿処理した微粉末消火薬剤。窒息効果と強力な負触媒効果を持つ。
消防計画
防火管理者が作成し消防機関へ届け出る、自衛消防体制、避難訓練、設備点検等を規定した防災基本計画。
消防法
火災の予防、警戒、鎮圧により人命および財産を保護し、社会公共の福祉を維持することを目的とした基本法律。
消防署
消防本部の下部機構として設置され、実際に火災予防・消火・救急・危険物規制の現地業務を担う機関。
消防同意
建築物の建築許可等の際、建築主事等からの送付を受け、防火・消防上の安全性を消防長・消防署長が確認・同意する手続き。
消防用設備
消火設備、警報設備、避難設備などの火災に対応・防止するために建築物に設置される設備の総称。
消防検査
危険物施設の設置や変更工事完了時、技術基準に適合しているかを消防行政が現地で確認する検査(完成検査)。
消防長
市町村の消防本部を統括し、消防行政の最高責任者となる職。
消防署長
消防長の下で各消防署の業務および署員を統括・監督する責任者。
静電気
物質同士の摩擦や接触・剥離により生じる電荷の蓄積。乙4危険物の輸送や注油時に放電火花となると重大な着火源となる。
静電誘導
帯電した物体を無帯電の導体に近づけた際、極性の相違により導体の対向面に異種の電荷が引き寄せられて表れる物理現象。
接地(アース)
静電気を地上へ逃がすため、配管やタンクなどの導体を電線で地面へ電気的に接続・開放する安全措置。
接触燃焼
可燃性ガスが特定の金属等の触媒表面に触れることで、低温でも急激に酸化反応・燃焼を起こす現象。
接炎
炎が可燃物や危険物容器の表面に直接接触すること。加熱速度が非常に早く急速な気化を招く。
絶縁
電気を逃がさない(流さない)状態。非導電性の危険物(ガソリンやベンゼン)は静電気が逃げず帯電しやすい。
線膨張
温度上昇によって固体の長さが伸長する物理現象。金属配管などの熱伸び計算で考慮される。
専用タンク
特定の1種類の危険物のみを貯蔵・充填するために設計・運用される貯蔵タンク。
潮解
固体物質が空気中の水蒸気を自ら吸湿・吸収し、その水に溶けて自然に液体状になる現象。
昇華
物質が液体の状態を経ることなく、固体から直接気体へ(または気体から直接固体へ)状態変化する現象。
常圧
特別に加圧や減圧を行わない標準的な大気圧状態(1気圧 = 約101.3kPa = 760mmHg)。
常温
特段の加熱や冷却をしない通常の自然温度。日本産業規格(JIS)では20℃±15℃(5℃〜35℃)を指すことが多い。
た行
耐火構造
鉄筋コンクリート造など、指定された火災加熱に対して所定の時間壊れず耐えうる耐火性能をもった壁・柱・床の構造。
耐震
地震による振動荷重や歪みに耐え、倒壊や危険物の漏洩事故を起こさない構造強度設計。
耐熱
高温下においても変形、熔融、強度低下を起こしにくい物理的性質。
耐圧
内部圧力の急増や外部からの圧力負荷に対して破壊や変形を起こさない耐圧設計構造。
対流
流体(液体・気体)内の温度差に伴う密度変化により、流体自体が循環移動して熱が運ばれる伝熱現象。
炭化
有機化合物が不完全燃焼や無酸素加熱(熱分解)により水分や揮発分を失い、炭素主体の物質へと変わる現象。
炭酸ガス消火設備
二酸化炭素(CO₂)ガスを区画内に充満させて酸素濃度を低下させ、強力な窒息消火を行う全域放出型消火設備。
炭素
元素記号C、原子番号6。すべての有機化合物の基本骨格であり、完全燃焼するとCO₂に、不完全燃焼では有害なCOを生成する。
単体
1種類の元素だけから成り立っている純物質(酸素 O₂、水素 H₂、銅 Cu、硫黄 S など)。
地下タンク貯蔵所
地中に埋設されたタンクに危険物を貯蔵する施設。地表からの引火リスクを低減できるが、漏洩防止対策が必須。
地下埋設
危険物配管やタンクを地中に埋めて配置すること。金属の防蝕塗装や漏洩検知管の設置が必要。
中和
酸と塩基(アルカリ)が互いに反応し、それぞれの性質を打ち消し合って塩(えん)と水を生成する化学反応。
貯蔵
危険物を移動させず、一定の危険物施設内・タンク内に留め置いて安全に保管すること。
貯蔵所
指定数量以上の危険物を安全に保管・貯蔵するために、行政から設置許可を受けた専門の構造施設(全8種類)。
貯蔵温度
危険物を品質変化や蒸発・発火のリスクなく安全に維持するための推奨・規定保管温度。
貯蔵基準
危険物を貯蔵する際に遵守すべき法令上の技術基準(品名別の混載制限、温度管理、充填率など)。
定期点検
一定の危険物施設の所有者等が、施設の構造・設備が技術基準に適合しているかを定期(年1回以上)に点検する義務。
点火源
可燃物に燃焼を開始させる最小限のエネルギーを与える熱源(裸火、熱風、火花、静電気など)。
点検記録
定期点検を行った際、その結果・不備箇所・修繕記録等を記入した文書。一定期間(原則3年間)の保存が義務付けられる。
電荷
帯電した物質が帯びている電気の量。正(プラス)と負(マイナス)が存在する。
電気
電荷の存在やその移動によって引き起こされる物理現象の総称。
電気火花
スイッチの開閉や回路の短絡、静電気放電に伴って空気を破って一瞬走る火花。可燃性蒸気の強烈な引火源。
電子
原子を構成する素粒子の一つで、負(マイナス)の最小単位の電荷を持つ。化学結合において中心的役割を果たす。
電流
電荷(主に電子)の移動する流れ。単位はアンペア(A)。
電圧
回路内で電流を流そうとする電位の差。単位はボルト(V)。
電気伝導
物質内部を電荷が移動して電流が流れる現象。導体(金属)は大きく、絶縁体(石油等)は非常に小さい。
電気抵抗
物質中の電流の戻りにくさ・流れにくさを表す尺度。単位はオーム(Ω)。抵抗が高い流体は静電気が帯電しやすい。
電気設備
危険物取扱施設内の照明や配線、電動モーター等。蒸気に着火しないよう「防爆構造」であることが求められる。
電子レンジ
マイクロ波(電磁波)によって水などの極性分子を高速振動させ、その摩擦熱で内部加熱する加熱器具。
導体
電気や熱を非常に効率よく伝える物質(鉄、銅、アルミニウムなどの金属類)。
導電性
電気を通しやすい物理的性質。静電気を素早く逃がすために導電性ゴムや作業靴が用いられる。
動植物油類
植物の種子や果肉、動物の脂から抽出した油脂。乙4危険物の第4石油類相当に区分され、乾性油は自然発火に警戒が必要。
特殊引火物
発火点が100℃以下、または引火点が-20℃以下で沸点が40℃以下の極めて危険性の高い第4類危険物(ジエチルエーテルなど)。
な行
熱
物質を構成する原子・分子の乱雑な熱運動エネルギーの移動形態。
熱伝導
物質の移動を伴わずに、高温部分から低温部分へと直接熱が移動する物理現象。
熱放射(熱照射)
熱源から赤外線等の電磁波として空間を飛び越えて他の物体へ伝わる熱移動。火災現場の輻射熱がこれにあたる。
熱対流
温められた流体が上昇し、冷たい流体が下降する対流運動によって熱が輸送される現象。
熱分解
化合物が高温加熱によって、より単純な原子・分子・化合物へと化学的に分解する現象。
熱容量
ある物体の温度を1K(または1℃)上昇させるために必要な熱量。「質量 × 比熱」で算出される。
熱膨張
温度の上昇に伴い、物質の体積や寸法が増大する現象。液体危険物のタンク充填率規制(空間容積の保有)に関わる。
燃焼
発熱と発光を伴う急激な酸化化学反応。
燃焼範囲(可燃限界)
可燃性蒸気と空気の混合気体において、着火したときに継続して燃焼が進む蒸気濃度の範囲(Vol%)。
燃焼速度
燃焼波(火炎面)が未燃焼の混合気の中を進行・伝播していく時間あたりの速度。
燃焼熱
物質1モル(または1kg)が完全に燃焼するときに発生する熱量。
燃焼生成物
燃焼反応の結果として新たに生成される物質(二酸化炭素、水蒸気、一酸化炭素、煤など)。
燃焼三要素
燃焼が成立するために不可欠な3つの要素。「可燃物」「酸素供給源」「点火源」。
燃焼四要素
燃焼三要素に、酸化反応が連続的に進行する「順調な連鎖反応」を加えた4要素。
燃焼限界
燃焼が起こる可燃性蒸気の最少濃度(燃焼下限値)と最大濃度(燃焼上限値)の限界点。
燃焼点
引火後、点火源を取り去っても火が消えず燃焼が継続する最低の液温(引火点より数度高い)。
は行
発火
点火源が直接接触しなくても、物質が加熱や蓄熱によって自ら燃焼を開始する現象。
発火点(着火点)
物質を空気中で加熱したとき、火源を近づけなくても自ら燃焼を始める最低の温度。
発熱
物理・化学変化に伴って、外部へ熱エネルギーを放出する現象。
発熱反応
反応が進行する際に熱を放散する化学反応。燃焼反応や中和反応が代表的。
爆発
急速な燃焼や気体の膨張に伴い、激しい音響と急激な圧力上昇・破壊作用を伴う現象。
爆発限界
可燃性蒸気と空気の混合気が爆発(急速燃焼)を起こす濃度限界(燃焼限界と同義)。
爆燃
火炎伝播速度が音速以下の比較的穏やかな爆発現象。一般的な気体爆発の初期状態。
爆轟(ばくごう)
衝撃波を伴い、火炎伝播速度が音速(約340m/s)を超える極めて破壊的な爆発現象。
沸点
液体の蒸気圧が外圧(大気圧)と等しくなり、液体の表面だけでなく内部からも盛んに気化(沸騰)し始める温度。
沸騰
沸点に達した液体内部から気体(気泡)が発生して劇的に気化が進む現象。
比熱
物質1gの温度を1℃(1K)上昇させるために必要な熱量。単位はJ/(g・K)。水は比熱が極めて大きい。
比重
ある物質の密度と、標準基準物質(水や空気)の密度との比率(無次元数)。
比例
二つの変数が互いに一定の倍率(比例定数)を維持して増加・減少する数学的関係。
引火危険
常温や加熱下で可燃性蒸気を発生し、火気によって容易に着火・爆発火災を起こしやすい危険性。
引火防止
危険物取扱において、火気制限、防爆設備の使用、蒸気排出、接地等によって引火を未然に防ぐ予防措置。
不燃性
火源を加えても燃焼せず、着火しない物質の性質(水、窒素、二酸化炭素など)。
不活性ガス
他の物質と化学反応を起こしにくい性質の気体(窒素 N₂、アルゴン Ar、二酸化炭素 CO₂ など)。窒息消火に利用される。
分解
1つの化合物が化学反応によって2つ以上のより単純な物質へと分かれる変化。
分子
2つ以上の原子が共有結合し、その物質固有の化学的性質を維持した最小の粒子単位。
分子量
分子の中に含まれる全原子の原子量の総和。
分離
混合物の中から特定の純物質を取り出す操作(蒸留、ろ過、抽出など)。
閉鎖型
スプリンクラーヘッド等で、通常時は放出口が閉じており、火災熱で感熱部が溶融・破裂した時のみ放水される構造。
閉鎖設備
危険物蒸気の漏洩や拡散を防ぐため、密閉性を保持した配管・容器・処理装置。
保安距離
危険物施設で火災・爆発が発生した際、周辺の重要建築物や住宅、人命を防護するために外周壁から保つべき安全水平距離。
保安検査
大型屋外タンク等の一定施設について、技術基準に適合しているかを都道府県知事等が定期的に行う義務検査。
保安監督者
甲種または乙種危険物取扱者で、実務経験(6ヶ月以上)を有し、施設内の保安監督業務を行うために解任・選任届出される者。
保有空地
火災時の消火活動スペースの確保および隣接建物への延焼防止のため、指定施設(製造所・屋外貯蔵所等)の周囲に確保する空地。
保護具
危険物の人体危害や火災事故から作業者を護るための装備(耐油手袋、防毒マスク、保護メガネ、静電安全靴など)。
放射
熱源から赤外線等の電磁波として空間へ熱エネルギーが直接放出・伝達される物理現象。
放熱
温かい物体から周囲の低温環境へ熱が逃げて奪われていく現象。
飽和
溶解や蒸発において、極限状態に達してそれ以上溶け込めない(または蒸気になれない)平衡状態。
飽和蒸気圧
密閉容器内で気液平衡状態にある時の蒸気が示す最大の圧力。温度のみに依存して定まる。
防油堤
屋外タンク貯蔵所等の周囲に設置し、万一のタンク破壊や漏洩時に危険物が外部へ流出・拡散するのを防止する堤防構造。
防火設備
火災の延焼遮断や遮煙を目的に建築物に設置される防火戸、防火シャッター、ドレンチャー設備等。
防爆構造
電気機器内部で火花や高温が発生しても、周囲の可燃性蒸気へ引火・爆発させない特別安全設計(耐圧防爆構造など)。
防爆電気設備
防爆構造を備えたスイッチ、照明、モーター、コンセントなどの電気器具。危険物施設内で使用が義務付けられる。
防火管理
火災の発生予防および火災被害の軽減を図るため、消防計画の作成や訓練などを組織的に実施する一連の管理業務。
ま行
密度
物質の単位体積あたりの質量(質量 ÷ 体積)。単位はg/cm³やkg/m³。
密閉
容器の栓や蓋をしっかりと締め、気体や液体の流出入を完全に遮断すること。
無極性
分子内で電荷の偏り(正・負の分極)が存在しない状態。無極性溶媒(ガソリン、ベンゼン等)は水(極性)に溶けにくい。
無色
固有の色が付いておらず透明な状態。第4類危険物の多く(ガソリンやアルコール等)は本来無色透明。
無臭
匂い・臭気がない状態。第4類危険物ではメチルアルコールなど一部を除き固有の臭気を持つものが多い。
無機物
有機化合物以外のすべての単体および化合物(炭素を含まない物質、およびCOやCO₂などの単純な炭素化合物)。
無機化合物
無機物から構成される化合物(水 H₂O、塩化ナトリウム NaCl、硫酸 H₂SO₄ など)。
面積
平面や物体の表面の大きさ・広さ。消防法上、製造所や貯蔵所の指定基準計算(保有空地幅など)に使用される。
面燃焼(表面燃焼)
蒸発や分解を伴わず、固体の表面で直接酸素と反応して炎を出さずに熱と光を発して燃焼する形態(木炭、コークス等)。
モル(mol)
物質量の国際単位(SI基本単位)。アボガドロ定数(約6.02×10²³個)の原子や分子の集まりを1molとする。
や行
有機化合物
炭素(C)を骨格として形成される化合物の総称(石油類、アルコール、糖類等)。燃焼するとCO₂とH₂Oを生じる。
有効数字
計算や測定結果において、信頼できる意味を持った正確な桁数のこと。
誘導(静電誘導)
帯電体が接近することにより、近くにある導体表面に電荷の偏りが引き起こされる物理現象。
融解
物質が加熱されて熱を吸収し、固体状態から液体状態へ物理的に変化する現象。
融点
物質が融解し始める(固体と液体が平衡状態で共存する)固有の温度。
溶液
液体(溶媒)に他の物質(溶質)が分子やイオンレベルで均一に溶け込んだ混合物。
溶解
物質が液体中に均一に溶け込んで混ざり合う現象。
溶質
溶液の中に溶け込んでいる物質成分。
溶媒
溶質を溶かしている液体成分(水、有機溶剤、アルコールなど)。
ら行
冷却消火
燃焼物や周囲の温度を奪って発火点(または引火点)以下まで急冷させ、燃焼を停止させる消火方法(水の注水など)。
冷却効果
対象から大量の熱(潜熱・顕熱)を吸収し、温度を低下させる消火効果。水は極めて高い冷却効果を持つ。
劣化
長年の使用や紫外線・酸化・摩耗により、機器やパッキン・構造物の物理的強度や機能が低下すること。
連続燃焼
燃焼の三要素(可燃物・酸素供給源・点火源)および連鎖反応が途切れることなく持続して燃焼し続ける現象。
わ行
湧出(ゆうしゅつ)
地中や破損配管、亀裂部などから液体危険物やガスが自然に滲み出たり湧き出したりする現象。
風解
結晶水を含む結晶性水和物が、乾燥した空気中で自然に結晶水を失って白濁・粉末化する現象。
法令で頻出の施設名(12区分)
製造所
危険物を製造(精製、合成、配合など)する目的で許可を受けて設置された施設。
屋内貯蔵所
建築物の内部(屋内)において、容器に入った状態で危険物を貯蔵・取扱う施設。
屋外貯蔵所
架台や屋外の敷地において、ドラム缶等の容器に入った指定危険物(第4類では第2〜第4石油類等)を貯蔵・取扱う施設。
屋内タンク貯蔵所
建築物の内部に設置された固定タンクで危険物を貯蔵・取扱う施設。
屋外タンク貯蔵所
屋外の地上に固定配置されたタンクで危険物を貯蔵・取扱う施設。大型防油堤などの防護設備が必要。
地下タンク貯蔵所
地中に埋設された固定タンクで危険物を貯蔵・取扱う施設。ガソリンスタンド等で標準的に採用される。
簡易タンク貯蔵所
容量600L以下の簡易タンク(最大3個まで設置可能)で危険物を貯蔵・取扱う施設。
移動タンク貯蔵所
車両(タンクローリー等)に固定されたタンクで危険物を貯蔵・取扱う施設。
給油取扱所
自動車等の燃料タンクに直接給油するため、固定給油設備を用いて危険物を取扱う施設(ガソリンスタンド)。
販売取扱所
店舗において危険物を容器に入ったまま販売するために取扱う施設(第1種販売取扱所・第2種販売取扱所)。
一般取扱所
製造所、給油、販売、移動タンク以外の目的(ボイラー給油施設、塗装工場、クリーニング所等)で危険物を取扱う施設。
移送取扱所
配管およびポンプ施設等によって、事業所外へ危険物を輸送・移送するパイプライン施設。
