
ドイツ語学習者の皆さん、こんにちは!
これまでの学習で、現在の出来事や自分の気持ち(助動詞)を表現できるようになってきたかと思います。
しかし、実際の会話では「昨日〜に行ったよ」「明日は〜するつもりだ」と、**「過去」や「未来」**について話すことの方が多いですよね。
今回は、ドイツ語の表現力を劇的に進化させる「3つの時制」を一気にマスターする究極のガイドをお届けします。
- 未来形(Lektion 10):明日、何が起こる?
- 過去形(Lektion 7):昔々、何があった?
- 現在完了形(Lektion 8):昨日、何をした?
覚える形は少し増えますが、これまで学んだ**「枠構造(サンドイッチの法則)」**がここでも大活躍します。法則さえ掴めば絶対に使いこなせます。カタカナ発音付きの例文と一緒に、声に出しながら学んでいきましょう!
第1部:これから起こること、推測すること「未来形」(Lektion 10)
まずは一番シンプルな「未来形」から攻略しましょう。
英語の「will + 動詞の原形」と全く同じ発想です。ドイツ語では、**助動詞「werden(ヴェアデン)」**を使います。
1. 未来形の作り方:werden + 動詞の原形(枠構造)
未来形の文を作るルールは、助動詞(könnenなど)を学んだ時と全く同じです。
【未来形の鉄則ルール】
- 文の2番目に、主語に合わせて変化させた
werdenを置く。 - 本来の動詞は、原形(-en)のまま、文の一番最後に置く!(枠構造)
まずは、werden(〜になる、〜だろう)の人称変化を完璧に覚えましょう。この動詞は「du」と「er/sie/es」の時に母音が変わる不規則変化をします。
| 主語 | werden の変化 | カタカナ発音 |
| ich | werde | ヴェアデ |
| du | wirst | ヴィルスト(※e が i に変化) |
| er/sie/es | wird | ヴィルト(※e が i に変化) |
| wir | werden | ヴェアデン |
| ihr | werdet | ヴェアデット |
| sie/Sie | werden | ヴェアデン |
2. 未来形の2つの意味:「単純未来」と「推量」
未来形には大きく分けて2つの使い方があります。
① 単純な未来・意志(〜するだろう、〜するつもりだ)
明日や来年など、これから先に起こることを表します。
【テキスト例文】
Es wird morgen regnen.
(エス ヴィルト モルゲン レーグネン)
明日は雨が降るでしょう。
(※「Es regnet(雨が降る)」の es を主語にして、regnen を一番後ろに置きます)
Er wird bald kommen.
(エア ヴィルト バルト コメン)
彼はまもなく来るでしょう。
【+追加例文】
- Ich werde nächstes Jahr nach Deutschland fliegen.(イッヒ ヴェアデ ネヒステス ヤール ナッハ ドイチュラント フリーゲン)私は来年、ドイツへ飛ぶ(行く)つもりです。
② 現在の推量(きっと〜だろう)
実はドイツ語の「werden」は、未来のことだけでなく**「今現在、おそらく〜だろう」**という推測を表すのにも非常によく使われます。英語の「must be」や「probably」のニュアンスですね。
【テキスト例文】
Er wird jetzt in Tokyo sein.
(エア ヴィルト イェット イン トーキョウ ザイン)
彼は今、東京にいるだろう(推測)。
(※seinはbe動詞の原形です)
Sie wird wohl krank sein.
(ズィー ヴィルト ヴォール クランク ザイン)
彼女はたぶん、病気なのだろう。
(※wohl = たぶん、おそらく)
💡【豆知識】ドイツ語は「現在形」で未来を語る?
実は、日常会話では「morgen(明日)」や「bald(まもなく)」といった未来を表す単語があれば、わざわざ werden を使わず現在形のまま未来を表すことがよくあります。
例:Ich fahre morgen nach Tokyo.(私は明日東京に行きます。)
werden を使うと、「強い意志」や「推測」のニュアンスが強調されると覚えておきましょう。
第2部:物語を語るための「過去形」(Lektion 7)
次は、過去の出来事を表す「過去形」です。
テキストに「動詞の3基本形」とあるように、ドイツ語の動詞には英語(do – did – done)と同じように、**「不定詞(原形) – 過去形 – 過去分詞」**の3つの形があります。
過去形を作るには、この真ん中の「過去形の形」を使います。動詞の変化は大きく3つのグループに分かれます。
1. 動詞の過去形の作り方(3つのグループ)
グループA:弱変化動詞(規則変化)
一番簡単なグループです。語幹(-enを取った部分)に 「-te」 をつけるだけです。英語の「-ed」と同じですね。
- lernen(学ぶ) → lernte(レルンテ)
- machen(作る) → machte(マハテ)
- sagen(言う) → sagte(ザーグテ)
グループB:強変化動詞(不規則変化)
英語の「see – saw」「go – went」のように、語幹の母音がガラッと変わってしまうグループです。これは気合で丸暗記するしかありません。
- kommen(来る) → kam(カーム)
- fahren(行く) → fuhr(フール)
- gehen(行く) → ging(ギング)
- sein(〜である) → war(ヴァール) ※超重要!
グループC:混合変化動詞
母音が不規則に変わるうえに、最後に弱変化の「-te」までつくという、ハイブリッド型の動詞です。
- bringen(持ってくる) → brachte(ブラハテ)
- denken(考える) → dachte(ダハテ)
2. 過去形の人称変化(★超重要ルール!)
過去形の動詞も、主語によって語尾が変化します。しかし、ここで絶対に覚えなければならない超ラッキーなルールが一つあります。
【過去形の鉄則】「ich(私)」と「er/sie/es(彼ら/三人称単数)」の形は全く同じになる!(語尾がつかない)
助動詞の時と同じですね!表で確認しましょう。
| 主語 | lernen(規則:〜te) | kommen(不規則:kam) | sein(be動詞:war) |
| ich | lernte | kam | war |
| du | lerntest | kamst | warst |
| er/sie/es | lernte | kam | war |
| wir | lernten | kamen | waren |
| ihr | lerntet | kamt | wart |
| sie/Sie | lernten | kamen | waren |
3. 過去形の例文を確認しよう
【テキスト例文(規則変化)】
Gestern lernte ich Deutsch.
(ゲステルン レルンテ イッヒ ドイチュ)
昨日、私はドイツ語を学びました。
(※文の頭に Gestern「昨日」が来ているため、動詞 lernte と主語 ich がひっくり返っています。動詞は常に2番目!)
Er machte das Fenster auf.
(エア マハテ ダス フェンスター アウフ)
彼は窓を開けました。
(※aufmachen「開ける」という分離動詞なので、auf が一番後ろに飛んでいます)
【テキスト例文(不規則変化)】
Er kam gestern.
(エア カーム ゲステルン)
彼は昨日来ました。
Er fuhr nach Tokyo.
(エア フール ナッハ トーキョウ)
彼は東京へ行きました。
💡【豆知識】過去形はいつ使うの?
実はドイツ語の日常会話では、このあと学ぶ「現在完了形」ばかりが使われます。
「過去形」は主に、**小説、新聞記事、ニュース、童話(昔々あるところに…)などの「書き言葉」**で使われるのが特徴です。
ただし、sein(〜だった:war)と haben(持っていた:hatte)、そして助動詞(könnte, wollteなど)の過去形だけは、日常会話でも頻繁に使われます。
第3部:日常会話の絶対王者!「現在完了形」(Lektion 8)
さあ、いよいよ最大の山場です。
ドイツ人が日常会話で「昨日ラーメン食べたよ」「先週ベルリンに行ったよ」と過去の出来事を話す時、99%の確率でこの**「現在完了形」**を使います。これをマスターすれば、ドイツ語の会話力は爆発的に伸びます。
1. 現在完了形の作り方(枠構造の極み!)
英語の現在完了は「have + 過去分詞」ですが、ドイツ語は少し複雑で、動詞によって「haben」を使うか「sein」を使うかが分かれます。
【現在完了形の鉄則ルール】
- 文の2番目に、主語に合わせて変化させた
habenまたはseinを置く。 - 意味を持つ動詞は、「過去分詞」の形にして文の一番最後に置く!(これも枠構造)
2. 「過去分詞」の作り方
過去分詞は、動詞の3基本形の3番目にあたる形です。
基本の作り方は 「ge + 語幹 + t(または en)」 となり、頭に「ge(ゲ)」がつくのが大きな特徴です。
- 規則変化:lernen → gelernt(ゲレルント)
- 規則変化:machen → gemacht(ゲマハト)
- 不規則変化:kommen → gekommen(ゲコメン)
- 不規則変化:fahren → gefahren(ゲファーレン)
⚠️要注意!「ge-」がつかない例外たち
テキストに重要な例外ルールが載っています。以下の動詞には頭に「ge」がつきません。
- 非分離動詞(be-, emp-, ent-, er-, ver-, zer- で始まる動詞)
- besuchen(訪問する) → besucht(ベズーフト) ※gebesuchtとは言いません!
- -ieren で終わる外来語動詞
- studieren(大学で学ぶ) → studiert(シュトゥディールト) ※gestudiertとは言いません!
【テキスト例文で確認!】
Ich habe in Tokyo studiert.
(イッヒ ハーベ イン トーキョウ シュトゥディールト)
私は東京の大学で勉強しました。
Ich habe ihn besucht.
(イッヒ ハーベ イーン ベズーフト)
私は彼を訪問しました。
3. 最大の難関!「haben」と「sein」の使い分けルール
現在完了形を作る時、助動詞として haben を使うか sein を使うか。これが初心者を最も悩ませるポイントです。
しかし、明確なルールがあるので安心してください。
① 「sein」をとる動詞(ごく少数・移動や状態の変化)
sein(英語のbe動詞にあたる)を使うのは、以下の3つの条件に当てはまる**「目的語(〜を)をとらない動詞(自動詞)」**だけです。
- **場所の移動(A地点からB地点へ動く)**を表す動詞
- kommen(来る)→ ist gekommen
- fahren(乗り物で行く)→ ist gefahren
- gehen(歩いて行く)→ ist gegangen
- **状態の変化(生きる、死ぬ、起きるなど)**を表す動詞
- aufstehen(起き上がる)→ ist aufgestanden
- sterben(死ぬ)→ ist gestorben
- 例外の3兄弟(これだけは無条件でsein!)
- sein(いる・ある)→ ist gewesen
- werden(〜になる)→ ist geworden
- bleiben(とどまる)→ ist geblieben
【テキスト例文(seinを使う場合)】
Ich bin nach Deutschland gefahren.
(イッヒ ビン ナッハ ドイチュラント ゲファーレン)
私はドイツへ行きました。
(※「移動」を表す fahren なので、ich habe ではなく ich bin を使います)
Ich bin in Tokyo geblieben.
(イッヒ ビン イン トーキョウ ゲブリーベン)
私は東京にとどまりました(滞在しました)。
(※ bleiben は無条件で sein 支配の例外動詞です!)
【+追加例文(状態の変化)】
- Er ist um 7 Uhr aufgestanden.(エア イスト ウム ズィーベン ウーア アウフゲシュタンデン)彼は7時に起きました。(※aufstehenは分離動詞なので間にgeが入ります)
② 「haben」をとる動詞(上記以外のすべて!)
移動や状態の変化を表さない動詞、そして**「〜を(4格)」という目的語をとる動詞(他動詞)は、すべて haben** を使います。全体の90%以上は haben グループです。
- lernen(学ぶ)→ habe gelernt
- spielen(遊ぶ、プレイする)→ habe gespielt
- machen(する、作る)→ habe gemacht
- lesen(読む)→ habe gelesen
【テキスト例文(habenを使う場合)】
Ich habe Deutsch gelernt.
(イッヒ ハーベ ドイチュ ゲレルント)
私はドイツ語を学びました。
Ich habe Klavier gespielt.
(イッヒ ハーベ クラヴィーア ゲシュピールト)
私はピアノを弾きました。
【+追加例文】
- Wir haben einen Server eingerichtet.(ヴィーア ハーベン アイネン ゼルヴァー アインゲリヒテット)私たちはサーバーを構築しました。(※サーバー「を」という目的語があるので、絶対 haben です)
4. まとめクイズ!どっちが正しい?
ルールが理解できたか、簡単なクイズで確認してみましょう。
Q1. 私は昨日、自転車を買いました。(kaufen / 買う)
A: Ich bin gestern ein Fahrrad gekauft.
B: Ich habe gestern ein Fahrrad gekauft.
正解は B!
「自転車を」という目的語があるため、移動の動詞ではなく「haben」をとります。(ゲカオフト)
Q2. 彼は京都へ行きました。(gehen / 歩いて行く)
A: Er ist nach Kyoto gegangen.
B: Er hat nach Kyoto gegangen.
正解は A!
「京都へ移動する」動詞なので、助動詞は sein(er の場合は ist)をとります。(ゲガンゲン)
総合まとめ:時制を制する者は、ドイツ語会話を制す!
本当に長い解説になりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。
この「Lektion 7, 8, 10」の内容は、ドイツ語学習において最も重要で、最も会話で使う部分です。
復習ポイントをまとめます。
- 未来のことは
werden + 原形(一番後ろ)でサンドイッチ! - 過去形の主語
ichとerは、ラッキーなことに全く同じ形! - 日常会話の過去は
haben/sein + 過去分詞(一番後ろ)の現在完了形を使う! - **移動や状態の変化(行く、来る、起きるなど)**の時だけ
seinを使う!
例えば、ご自身の趣味である「自転車(Fahrrad)」を使って、3つの時制を使い分けてみましょう。
- 【現在】 Ich fahre Fahrrad.(私は自転車に乗る)
- 【未来】 Ich werde Fahrrad fahren.(私は自転車に乗るだろう)
- 【過去】 Ich fuhr Fahrrad.(私は自転車に乗った:※小説などの表現)
- 【完了】 Ich bin Fahrrad gefahren.(自転車に乗ったよ!:※会話の表現)
このように、一つのシンプルな文を時制に合わせて変形させるトレーニング(ドリル)をすると、脳内にドイツ語の強固な回路が出来上がります。
ぜひ、日々のブログ執筆や独り言の中で「これは過去形(完了形)でなんて言うんだろう?」と考える癖をつけてみてください。劇的にドイツ語力がアップすること間違いなしです! Viel Erfolg!(応援しています!)
